住まいの話題

国産畳表の価値を知る③ 畳を床材の選択肢に

畳に価格差があるとき、価値としてどのくらいの違いがあるのか。その見分け方と顧客への提案方法を学ぶ「畳表提案力アップ研修会」が、8月30日に札幌市産業振興センター(札幌市白石区東札幌5条1丁目)で開かれた。主催は、いぐさ・畳表生産者と畳製造者をつなぐ全国い産業連携協議会。

研修会開催にあたって、和創の三津谷氏は、畳店だけでなく建築士や設計士など住宅関係者へ広く参加を呼びかけた。和創は本州の大手畳店出身の有志が集まり、1999年に創業。空間に合わせた幅広い提案力が強みだ。
三津谷氏は、畳の普及について住宅を作っている人に知識として知ってもらうことが大切で効果的と考えている。一つのプランとして畳を図面に載せ、施主にプレゼンテーションするのは彼らだからだ。

 

畳業界を盛り上げる

「畳は和室」という概念を取り払い、フローリングなどと同様に床材の選択肢の一つにすることも目指している。「畳は柔らかさだったり、国産いぐさの香りだったり、居心地の良いスペースを作れる」と三津谷氏。とくに赤ちゃんや小さい子どもがいる家庭では、安心して遊ばせられる場所になる。手入れの仕方が分かれば、それほど手間をかけなくてもきれいに保つことができる。

「国産いぐさと中国産は別物として考えてほしい」と話し、いぐさを一括りにしている感覚が価格差でしか考えてもらえない状況を招いていると憂慮する。

道内の畳業界は30代、40代の若手を中心に横のつながりを作る「一縁会」というグループがあり、三津谷氏も参加している。材料や技術に関してなど情報交換を行い、刺激し合っている。
三津谷氏は、自社だけが良ければいいという考えだと長くは続けられないと指摘。業界全体を盛り上げていくために、「一縁会は若い方たちも多いし、道内で波及していければいいと思う」と語った。

 

工場で製作する三津谷氏