先輩の声

若手が育つ会社「きっかけはロゴデザイン」

新入社員のフレッシュな姿が見られる4月。彼らはどうしてその会社を選んだのか。これから、どうやって育っていくのか。アートホームは、その答えとして独自の手法を持っている。新卒で入社して4年目になる齋藤可奈さんに話を聞いた。

カタログで憧れて

アートホーム千歳支店営業チームに所属する齋藤さんは、青山建築デザイン・医療事務専門学校(札幌市)で建築を学んだ。就職にあたって、Webの就職情報サイトを見ていた時に目に止まったのが同社の一輪挿しのロゴだったという。

現在はデザインを変えているが、家づくりのコンセプトである「家は器」を表現したもので、建築会社のイメージから離れたおしゃれな雰囲気とそこに込められた想いに興味を持った。

企業説明会に参加し、もらった施工写真のカタログをじっくり読み込んで、面接にのぞんだ。その時点で、「もうアートホームが憧れになっていた」と目を輝かせる。 「とても魅力的なカタログで、こんな会社で働きたいと思ったのと、家は主張しすぎてはいけないというメッセージがなんて素敵なんだろうと」。

家は住む人それぞれの雰囲気、色や匂いによっても違うものになると考えていた齋藤さんにとって、「主張しない家」はストンと心に入ってきた。 同社の家づくりにおけるデザインと考え方は、社屋をはじめホームページの見せ方から顧客との打ち合わせに使うコーヒーカップまで細部に貫かれている。

そうすることで、「アートホームらしさ」がユーザーに浸透し、ファン作りにもつながっているようだ。 齋藤さんは、「家づくりは見えないところが大事」と専属大工から教えられたと言うが、ベースにその考えがあり、隅々まで行きわたっている。

 

風景に溶け込む千歳支店

風景に溶け込む千歳支店

一人ひとりに対応

新入社員は、入社して最初の1ヵ月間、鈴木和幸社長による研修を受ける。「鈴木アカデミー」と呼ばれているもので、最後は建築を学んでこなかった社員も含め、全員が矩計図を書けるようになるまで行う。

講義は、「アートホームのお仕事」と題したパンフレットに沿って進められる。座学の他、建材のショールームや木材の工場なども見学して体験を積む。 そうして家づくりに関する一通りのことを学んで初めて実際の仕事に就く。

ここでも同社のやり方があり、設計希望者であっても例外はあるが最初は営業チームに配属される。「顧客のことを知らないと家は作れない」との方針からだ。 その後は教育プログラムやマニュアルはなく、社員一人ひとりに合わせて柔軟に対応する。

齋藤さんも入社時は設計希望だったが、営業として働いているうちに楽しくなり、現在は営業を続けるか設計者を目指すか悩んでいる最中と明かした。 社員の働き方も制度によってシステマティックに決めるのではなく、個別に対応し、そのための環境を整えていく。

実際に結婚と出産で一時退職した女性が現在働いている例もある。 「戻って来たいと思ってもらえる会社」を目指しているというが、「そのせいか自由な人が多い」と齋藤さんは笑った。

それも一つの強みで、顧客にものびのびとした明るい社風が伝わる。「おもしろくて良い会社だね」と言われることが多く、好感度と信頼性の向上に役立っている。 齋藤さんは、「いつかは自分の家をアートホームで建てたい」と語る。入社前に抱いた憧れの気持ちが、働く中でさらに大きく膨らんでいる。

 

「家は器」がコンセプト