元気な工務店

公共工事から住宅建築へ踏み出す

静内産業土建(日高管内新ひだか町)は今年6月、ファース工法で建てる自社ブランド「AKOZ HOME(アコーズホーム)」を立ち上げた。同社はもともと公共工事がメインで住宅建築は年に数棟程度だったが、高橋幸二専務は「住宅についても相談されることが多かったので、性能の良い家を作りたいと思った」と明かす。

地域に根差す住宅

いろいろな工法を調べていた高橋氏は、3年前にファースの家のモデルハウスを見学し、これしかないと思ったそうだ。会員とも交流を重ね、正式に加盟したのは昨年6月のことだった。

家づくりのシステムはもちろんだが、高橋氏は「(ファース工法開発者の)福地脩悦氏の『地域に根差す』という言葉に心を打たれた」という。それまでも地域の工務店として地域と共に歩むのが一番と思い、町内の商

工会青年部に所属してさまざまなまちづくりの取組みに参加してきた。

その経験が住まいづくりにもつながっている。ただ商品を売るのではなく、地域に暮らす顧客の人生に寄り添い最善の提案をしていきたい、その思いにファースの家は合致した。

 

平屋のモデルハウス

性能の見える化を

AKOZ HOMEの立ち上げに合わせ、日高管内初となる「ファースの家」のモデルハウスを建設した。 6月26日から7月10日まで完成見学会を開催し、延べ50組が来場。現在は約2年間の常設モデルハウスとして再オープンするため準備している。

高橋氏は「ファースの家は生活してこそ力が発揮できる」と、モデルハウスに夫婦で住み、見学者を予約制で受け入れるという。実際の暮らしを見せることで、結露しない、空気がきれいなどのファース工法の特徴を顧客が実感できると強調する。

また、モデルハウスの壁と床の一部をスケルトンにして、内部にあるウレタン吹付けのファース専用断熱材「エアクララ」が見えるようにした。経年劣化がしにくい断熱材を理解してもらうためだ。ほかにも、匂いの除去や調湿効果のある「ファースシリカ」の実験ボックスを備えるなど、建ててからでは見ることのできない性能の「見える化」を行っている。

モデルハウスは平屋で床面積は112.62㎡。「子育てが終わった後の夫婦二人の空間」がテーマで、釣りやスキーが趣味の高橋氏と同じアクティブなライフスタイルを想定している。アウトドア用品を置けるウォークインタイプのシューズクローゼットや、トレーニングルームになるインナーテラスを設置。ガーデニングができる約10畳のウッドテラスもある。

オール電化住宅で、20kWの太陽光発電を搭載。同社は、太陽光発電システムを初期費用0円で提供する「シェアでんき」の日高管内における販売代理店を兼ねている。ファースの家とシェアでんきをセットにすることでZEH化を図っていく。「そうしないと(ゼロカーボンの)新しい時代についていけない」と高橋氏。
今後は、「ファースの家を前面に打ち出して1棟1棟丁寧に手掛けていきたい」と話す。AKOZ HOMEが地域にしっかり根付くのもそう遠くではなさそうだ。

 

空気がきれいなファースの家の室内