住まいの話題

学生のアイデアが光るモデルハウス

ロゴスホールディングス(札幌市)は3月10日、札幌学院大の学生がプロデュースしたモデルハウス(札幌市厚別区)をメディアに公開した。ロゴスホールディングスと札幌学院大経済経営学部は、昨年4月1日に連携協定を締結。同学部の学生が家づくりに取り組む「モデルハウスプロデュースプロジェクト」をスタートした。

1年かけて完成

参加したのは経済学科3年の瀬川愛恋さん、茅根光さんと、経営学科3年の外﨑幹奈さん、佐井茉広さん、安宅雅治さん、小倉光洋さんの6人。ロゴスホールディングスの社員とミーティングを重ねながら、市場調査からプラン作成、外壁や内装、インテリアの選定、販促や広告の立案まで行い、1年かけてモデルハウスを完成させた。

当日、あいさつしたロゴスホールディングスのグループ企業、豊栄建設(札幌市)の浦田和洋社長は、札幌の企業として地域に貢献したいと考え、コロナ禍で社会に接する機会が少なくなった学生たちと一緒に何か企画しようというのが趣旨と話し、「学生たちのアイデアが詰まった家を完成させることができた」と喜びを語った。

札幌学院大の片山一義経済経営学部長は、1年間、継続的にやり続けたのは当大学として画期的な試みと述べ、「学生たちにも成長があり、社会人になって経験が生かされるのでは」と今後に期待を寄せた。

参加メンバーによるテープカットが行われ、感想を求められた学生たちから「人として成長できた」「自分に自信がついた」「来場した人が、ここがいいと発見できる家になってほしい」などの声が聞かれた。

階段に滑り台

モデルハウスの見どころも学生自らが案内した。「つながる家」をテーマに、「家族とつながる」「未来とつながる」「自然とつながる」「物理的につながる」の四つのつながりを意識したと解説。

大きな特徴は階段に沿って設けられた滑り台で、子どものためはもちろん、両親も遊び心を忘れずに子育てを楽しめるようにプランした。また、将来子どもが巣立っても、孫を連れて遊びに来るときに「滑り台のあるおじいちゃん、おばあちゃんの家に行こう」と言えることが、「未来とつながる」ことになると力を込めた。階段の下に小さな空間を作り、ダイニングにした「ダイニングヌック」は、居心地が良く家族がさらに親密になることを求めたという。

このほか玄関、土間収納、食品庫、キッチンをつなげた家事動線や、夫婦水いらずの時間を楽しむバルコニー、子ども部屋に設けたプリンセスのような気分になれる装飾室内窓など、随所にアイデアがみられた。モデルハウスは約半年間公開し、その後売却する予定。公開期間中は、親子を対象としたワークショップの開催を検討している。

 

階段横に滑り台を設置

家族が親密になるダイニングヌック