住まいの話題

ローコスト規格住宅を充実

コスモ建設(札幌市)は2019年から、延床面積26~28坪台で4LDKのファミリー向けローコスト規格住宅「C-Zest(シーゼスト)」シリーズを展開。翌20年からはそれよりややゆとりのある30坪台で同じく4LDKの「Vシリーズ」をラインアップに加え、坪単価48万円からという価格の優位性を同社のメインターゲットである若い一次取得層に訴求している。
土地や資材価格の高騰により、大手ハウスメーカーなどが床面積を抑えて価格を調整しているが、同社も昨年から今年にかけて、その傾向が強まっているという。

価格競争力で水準の近い数社のメーカーと常に比較されるため、価格の優位性に加え、どのような特徴を打ち出して他社と差別化するかが難しい。
同社はツーバイフォー工法で、規格住宅は2×6非対応という違いはあるものの、基本的な躯体の構造は通常の注文住宅と変わらない。ローコストでも耐震等級3を取得可能な構造の安全性が最大の差別化ポイントとなっている。
高山寿彦社長は「躯体に関しては一般的にイメージされるようなローコスト住宅とは異なる。面積だけは通常の注文住宅より少し小さめの括りにして、企業努力で価格を抑えている面が大きい」と強調する。

22年からはさらにローコスト規格住宅の新たな展開として「平屋」シリーズもスタートした。近年のユーザーの平屋人気に対応したラインアップ拡充だが、平屋はある程度の敷地面積が必要なことに加え、坪単価も比較的高くなる。
同社は1LDKからプランを設定。といってもターゲットはシニアの夫婦2人世帯ではなく、あくまで若い一次取得層を中心に据えている。17~26坪台の1~3LDKで、坪単価ではなく建物本体価格(税別)で1000万円から1600万円という手の届く価格帯の商品を提案している。

 

平屋シリーズのモデルハウスを公開

同社の平屋シリーズを含めたコンパクトな規格住宅は、マンション価格の高騰から戸建に目を向け始めた需要層の動きも視野に入れている。マンションならば立地が何よりも重視されるが、好立地のマンションが一般的な世帯収入では手が届かなくなっているいま、戸建に目を向けたときにマンションより少しゆとりのある平屋の2~3LDKにニーズが生まれてくる。

同社は札幌市内や近郊に多数のモデルハウスを常時展開しており、平屋モデルも公開中。高山社長は「平屋のモデルを持っているところはまだ少ないので、実際に見てもらって暮らしをイメージしてもらえれば」と強みを語る。
一方で今年から、仕様や設備をグレードアップし、選べるオプションも充実させた規格住宅「LC(ルーチェ)」シリーズも展開。より幅広いユーザーに選択肢を提供する。

 

オプション屋根のVシリーズモデル