元気な工務店
根室市で全館空調に取り組む

取材日:2024/06/30
石塚建設(根室市)
石塚建設は、代表取締役の石塚和喜氏が2000年に立ち上げた。今年で創業24年を迎える。性能と同時に、意匠性にも優れていることがユーザーに選ばれるうえで重要だとの考えから、根室市内を中心に高性能かつデザインにこだわった住宅を作り続けている。工務店団体のソトダン21、アース21に加盟し、常に情報収集に余念がない。また、ZEHの普及に力を入れており、全棟で太陽光発電設備を標準仕様としている。同社が5月に公開した新モデルハウスを取材し、独自の家づくりに対する石塚氏の思いを聞いた。
住まい手を明確に
今年5月に根室市宝林町に同社の最新のモデルハウスが竣工した。 木造軸組工法2階建、延床面積は112.85㎡。断熱仕様は、基礎断熱に押出法ポリスチレンフォームを外側80㎜、内側60㎜、土間下に同60㎜。付加断熱に硬質ウレタンフォーム80㎜、軸間に高性能グラスウール36Kを105㎜。天井は吹き込みグラスウール450㎜。窓はすべてトリプルガラス樹脂サッシ。換気は第一種熱交換換気システムを採用。 UA値は断熱等性能等級7となる0.19W/㎡K、C値は0.18㎠/㎡。主暖房は床下エアコン、冷房は2階階段室のエアコンを使用した全館空調。
「4人家族に適した間取り」をテーマにプランニングを行ったと石塚社長。モデルハウスについて「建てれば誰かが買ってくれると考えていては成功しない。ターゲットを明確にした設計やデザインを徹底することが重要」と話した。

モデルハウス外観
実測して確認
居間、脱衣所、ユニットバスなどの床下と2階ホール、寝室、2階子ども部屋の8ヵ所に温度、相対湿度、露点温度、絶対湿度などをリアルタイムで計測する「スイッチボット」を設置。専用アプリをインストールしたスマートフォンからWeb上で結果を確認できる。
スイッチボットは市販のIoT製品で、温度計以外にもさまざまなシリーズが発売されている。「機材の進化により最低限のコストで施工後の室内環境のフィードバックが得られるようになった」と石塚氏。自らデータを集め、施主も自邸の情報を確認できる。「全室同じ室温になっていることを確かめられるし、トラブルにもすぐ気が付くのでアフターにも役立つ」という。
そのほか、昨今は子育て世帯の子ども部屋に対する意識が変化して、勉強や遊びも居間でする傾向にあるという。子ども部屋はベッドなどが置ければ十分といった需要に合わせ同モデルハウスでは、2室ある子ども部屋はいずれも4・5畳。 しかし、あえてクローゼットを扉なしにすることで有効空間を広げ、視覚的にも窮屈さを感じさせない工夫をしている。
また、子育て共働き世帯は日中留守のことが多い。あえて窓を小さめに設計しコストを抑える工夫も。「コストをただ削減するだけでなく、その分で必要な建具をワンランク上げるなどメリハリをつけている」と強調する。

リビングにはカウンターを設置

天井を高くし、広く見えるよう工夫
親子二代でコラボ
2020年に石塚氏の長男の和磨氏が独立し、カズマ夢工房 和(根室市)を立ち上げた。現在は石塚建設の物件の施工を一手に引き受けている。 子どもが跡継ぎでなく独立して下請に入るのは珍しいパターンだが、「請負の方がお互いにプロとプロの付き合いができる」と石塚社長。「まだ若いが厳しく指導したので大工としての腕は確か」と太鼓判を押す。設計を石塚建設、施工をカズマ夢工房 和という形で、今後はコラボレーションしていくという。
