住まいの話題

JR廃線跡地を宅地に活用 週末小屋区画も

レールと枕木をそのまま残す

辻野建設工業(石狩管内当別町)は、JR北海道の札沼線廃線跡地の一部を取得し、「新・当別田園住宅」(当別町字金沢、字中小屋)の分譲を開始した。土地を再利用し、新たな価値を与えるユニークな取組みとして注目されている。同社が1997年から手掛けてきた「当別田園住宅」の分譲地に連なる新区画で、住宅用地9区画と小屋用地6区画の合計15区画から成る。

当別田園住宅で初めて整備された小屋用地は、週末や休暇中のショートステイに利用する小屋の建設を想定。レールと枕木をそのまま残し、線路の上にデッキを作ったり、トロッコで走ったり、自由な発想で楽しめるようにした。3月に小屋のモデルプランを発表する予定。札幌市在住の建築家、堀尾浩氏に設計を依頼しており、使い方をイメージしながら提案するという。

同社の辻野浩社長は、「外で作物を育て、ご飯を食べる。小屋では本を読む、音楽を聴くなど趣味を満喫する。裏山や川べりを散策し、このフィールドやコミュニティを含めて楽しんでほしい」と話す。小屋はショップやギャラリーをはじめ、ビジネス用途にも活用できる。

敷地面積と価格は、住宅用地が741㎡から1801㎡で156万円から351万円。小屋用地は小屋付きモデル区画が1804㎡で350万円、そのほか756㎡から1591㎡で159万円から253万円。

当別田園住宅は農的な暮らしや小動物との共生などを具現化するプロジェクトで、家づくりから当別町での暮らしまで同社がサポートする。居住者は庭に菜園を作り、ヤギや羊を飼うことができる。居住者同士でコミュニティを作り、近隣の農家たちとの交流も育まれる。これまで約30棟が建てられ、道内外からファミリーやリタイア層が移住してきた。中には創作活動のために訪れた画家も住んでいる。

田園都市住宅

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